FOOD 豆知識
上手な野菜の保存法(1)・・・野菜の保存適温は何度?

旬の野菜は驚くほど栄養価が高い

 新緑が目にまぶしい季節です。今が旬のそら豆、新ジャガイモ、新キャベツ、パセリ、三つ葉、にら、小かぶなどの春野菜が続々登場しています。旬の露地もの野菜には、ハウス栽培野菜にはない鮮烈な香りや味の濃さがあり、価格も安くて栄養価も最高に達します。

 少し前、4月7日付の日本農業新聞「変わる野菜の価値(4)」欄には、野菜加工業の東京デリカフーズ・食の研究所が行った野菜の成分分析の結果として、野菜は季節によって含まれる栄養価が大きく変わり、旬の野菜には驚くほどの栄養成分が含まれていることがわかったことが記されています。

 例えば、旬を迎えた冬場(1月)のほうれん草には、がんや老化の原因となる活性酸素を抑えるポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化物質が豊富に含まれ、活性酸素消去能(活性酸素を抑制する力)は夏場(6月)に比べて8倍も強いといいます。さらにビタミンCは7倍、糖度は3倍も高く、逆に、硝酸イオン(糖尿病を誘発されるとする)は8月のものに比べて19分の1という驚くべきデータが出ているそうです。
 これから初夏に向けて、太陽の光をいっぱいに受けて育った旬の路地もの野菜がたくさん出てきます。味、香りがよく、栄養成分いっぱいにつまった旬の野菜をたっぷり食べて健康な体をつくりましょう。

夏野菜は風邪をひきやすい

 そこで、知っておきたいのが、野菜の上手な保存法です。皆さんにも、冷蔵庫に入れておいた野菜が褐色に変色して、ドロドロに溶けてしまったなどという経験があるのではないでしょうか。野菜を保存するには、冷蔵庫に入れておくのが普通ですが、野菜にはそれぞれ保存に適した温度があり、冷やしすぎると腐ってしまう野菜もあります。

 一般的に夏野菜のなす、ピーマン、きゅうり、オクラなどは、低温保存をしておくと腐りやすい(風邪をひきやすい)野菜の代表格で、例えばピーマンの保存適温は10℃で、7℃以下の温度で保存するとたちまち皮の表面が変色し、黒い斑点ができ、種のまわりが褐色に変色してきます。なすの保存適温も10℃です。我が家でもよく失敗するのですが、なすを冷蔵庫の野菜ボックスに入れたままにしておくと、数日のうちに美しい紫色の艶が失われ、黒ずんできて、くぼみができて腐り始めます。「せっかくのおいしいなすが!」と悔やんでも後の祭りです。きゅうりは15℃で保存すると、ビタミンCが減少する割合が一番少ないのですが、すが入りやくなっておいしさが失われるため、すが入りにくい10℃での保存が適しているようです。

野菜の保存適温

 「野菜がクスリになる50の食べ方」(池田弘志編著 小学館刊)によると、それぞれの野菜の保存適温については、は以下の通りです。
<2℃> うど、あさつき、さやえんどう、にら、ブロッコリー、三つ葉、かぶ、小松菜、アスパラガス、レタス、キャベツ、イチゴ、セロリ、春菊、ちんげんさい、ねぎ、カリフラワー、スイートコーン(皮付き)、モロヘイヤ、わさび、長いも、山いも、青じそ、ほうれん草、にんじん、はくさい、ごぼう、完熟トマト、枝豆など
<3℃> ジャガイモ
<5℃> マスクメロン
<6℃> 里いも、さやいんげん
<10℃> オクラ、ピーマン、少し青いトマト、ハウスメロン、なす、きゅうり、かぼちゃ、すいか
<13℃> さつまいも、バナナ
<14℃> しょうが

 一般的な冷蔵庫の温度は3℃〜7℃に設定されています。またスーパーの冷温ショーケースの温度は10℃前後の設定が多いそうです。真夏にはさらに高温になるようです。2℃から5℃ぐらいの低温が保存適温の野菜は、新鮮なうちに購入して、冷蔵庫に保存することが味、香りを落とさず、栄養価を減少させずに長持ちさせるコツのようです。
 きゅうり、なす、ピーマン、オクラなどの風邪をひきやすい野菜は、ポリエチレンの袋に入れて口を輪ゴムなどできちんと締める、あるいは新聞紙できちんとくるんで冷蔵庫に入れるなどの工夫をすれば4〜5日はもたせることができます。冷蔵庫に入れないほうがよいのは、さつまいも、バナナです。

段ボール箱に入れて放置は最悪

 ところで、家庭の玄関口や八百屋さんの店先で、段ボール箱に野菜を入れたままにしてあるのを見かけますが、段ボール箱やビニール袋に入れたまま密閉して放置しておくと、野菜も呼吸をしていますので、呼吸によって温度がどんどん上がり、箱や袋の中が高温になって、みるみるうちに鮮度が落ちます。とくに、夏に段ボール箱に入れたままにしておくのは最悪です。野菜が入った段ボール箱を日の当たる店先に放置している八百屋さんやスーパーで野菜を買うのはおすすめできません。
 野菜は鮮度が命です。流通や小売店は鮮度管理(温度管理)が問われます。消費者のみなさんは、野菜の保存適温を知って、栄養成分、おいしさをもらさず食べてください。
野菜を上手に保存するには、適温保存だけではなく、置き方も工夫する必要があります。次回は、栄養素、おいしさを逃さない、野菜の正しい置き方についてご紹介しましょう。

参考資料:「野菜がクスリになる50の食べ方」(池田弘志編著 小学館)「自然治癒力を高める連続講座2 自然治癒力・免疫力を高める食生活」(ほんの木)